第20回「TSとTGを支える人々の会」公開シンポジウム

「性同一性障害の過去・現在・未来」

1997年7月19日

話し手。山内俊雄さん、原科孝雄さん、石原明さん、東優子さん、当事者など

性同一性障害に対する医療分野での対応は、ここ数年で関係者の方々の尽力によって著しく進んでいます。昨年7月に埼玉医科大学倫理委員会が性転換治療に関する答申を発表し、今年5月には、日本精神神経学会が、性同一性障害に対する診断・治療のガイドラインに当たる「性同一性障害に関する答申と提言」を発表しました。埼玉医科大学にはジェンダークリニックが開設され、性別再判定(性転換)手術が実施される日も近づいています。当事者の動きも、各地に自助グループができるなど、徐々に盛んになってきています。しかし一方で、重い医療費負担や、手術後も戸籍上の性別の書き替えが認められないことが病院にかかったり、就職、住宅の賃貸契約、海外旅行、結婚などの障壁になるなど、問題も多く残されています。当事者や専門家に現在までの情況や、これから解決すべき課題などをお話いただきます。

〈第1部〉過去から現在まで

 性別異和と社会の無理解に苦しんで ……坂本愛子さん、中原圭一さん

 性同一性障害に取り組み始めて ……原科孝雄さん

 世界の性同一性障害事情 ……東優子さん(言葉の解説も)

 二つの答申に取り組んで ……山内俊雄さん

〈第2部〉これからの課題

 性別再判定手術の実際 ……原科孝雄さん

 性同一性障害の治療の間題点 ……山内俊雄さん

 性同一性障害と法律間題 ……石原明さん

 活動のアピール

 質疑応答

 私たちも生きやすい社会を ……坂本愛子さん、中原圭一さん、山田美香さん

性別異和と社会の無理解に苦しんで

 坂本愛子さん

MTFTS.1956年、山形の田舎生まれ。両親とも学校教諭。幼児期からおかっぱにしてスカートをはかないと、泣き止まなかった。3歳か4歳のとき、畑でおしっこしているところを見られた近所のおぱさんに、「あんた、男の子だったの!?」と言われ、自分は間違った性に生まれたという意識が芽生え、それ以来の悩みだった。小学1年時、男の子に初恋。親がかわいそうだからと隠していたため、小4で精神的な慢性胃炎になる。小5の時、雑誌でモロッコで性転換した英国写真家の手記を読み、興奮。「モロッコに行かなければ」と恩う。中学時代・カルーセル・麻紀さんが登場し、それを見習って、神奈川大学経済学部の学生時代からゲイボーイのアルバイトを始める。卒業後、父が亡くなったのを機に母にカムアウト。24歳のとき・シンガボールで手術を受けた。この時、「おまえが幸せになるなら」と母親が結婚費用だと思って・手術費用の一部を負担してくれた。1985年、29歳時に、経済的に母を安心させたいと仙台でゲイバー経営を始める。10年間に延べ約30人のTS,TG,TV、ゲイを雇用してきた。95年よりカナダに移住。将来は、「カナダで社会的にドロツブアウトしたTS&TGの若者ためのボランティア活動をしたい」と希望。現在、英語の習得に励んでいる。

中原圭一さん

女として生まれ育ち、今も女の体でいるが、趣味、行動は、子どもの頃から男でした。

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性同一性障害に取り組み始めて

 工事中

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世界の性同一性障害事情

 工事中

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二つの答申に取り組んで

 工事中

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性別再判定手術の実際

 工事中

形成外科、マイクロサージヤリーTS手術

TS手術は決して外科医主導であってはならないのは当然である。しかしわが国の現状ではいかに精神科医がその必要性を説いても、優生保護法(現注母体保護法)を恐れて外科医がしりごみしてはことは進展しない。実際にハリーペンジャミン国際学会の前会長は6人の内2人が形成外科医であった。私はその形成外科医であり、そして陰茎再建術に必須の技術であるマイクロサージャリーを専門としていたことがこの道への緑の始まりであった。

形成外科、マイクロサージャリーとは何か、そしてTS手術について私が知る範囲でご紹介する。形成外科とは一先天笹・後天性に生じた、主として身体外表面の変形、醜形、先天異常なとを手術的にできるだけ正常な形態に戻すことによって、その患看さんの正常な社会生活への復帰を手助けすることを目的とする一いわぱ外科手術によるリハピリテーションの科である。先天性では口唇裂、口蓋裂、小耳症なと顔面頭頚部、多指症、合指症など手足の間題がある。また皮膚のあざ、色素性母斑、血管腫なとも扱う。後天性ではやけと、交通事故などによる顔面外傷、四肢の外傷、手術後の傷跡、悪性腫癌切除後の再建、すなわち舌癌、頚部食道癌、乳癌切除後の再建など身体外表面のすべての間題を扱う。したがって形成外科では上記の問題を解決するために種々の組織移植、特に皮膚移植を基本手技とする。その皮膚移植のうち皮下脂肪を含んだ厚い皮膚を移植することは技術的に困難で、数回の手術を必要とし、肉体的、経済的な負担を患者さんに強いるものであった。そこで皮膚移植も他の賢器移植と同様に、それを栄養する血管(動脈と静脈)を吻合する(縫合する)ことによって遠隔地に移植しようというのがマイクロサーシャリー、微小外科である。手術用顕微鏡を用いて、細い血管や神経を縫合することができるようになって・形成再建外科の技術は飛躍的に進歩した白そのひとつが陰茎再建術である。FTMTS手術は機能的・整容的に満足できるペニスを再建するのがきわめて困難であったが・マイクロサージャリーの技術の導入により得られる結果が著しく向上した。しかし乳房切除、子宮、卵巣滴出、尿路変更、陰茎形成なと複数回の手術が必要であることは免れない。それに反しMTFTS手術は原則的には一回の手術ですべて完了する。(乳房形成を除いて)問題は膣形成の方法で、大腸を使用する、陰茎などの皮膚を翻転して便用するの二つに分かれるが、最近では後書の方が主流となっているようである。

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性同一性障害の治療の間題点 …… 山内俊雄さん

 工事中

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性同一性障害と法律間題 …… 石原明さん

 工事中

刑事法上の問題一性転換手術は合法的に可能か

(1)ブルーボーイ事件とその裁判

(2)母体保護法28条は何を保護しようとする規定なのか

・「一故なく」「生殖を不能にすることを目的として」とは

・刑法の傷害罪との関係は

重大な傷害への同意は、傷害罪を正当化しない

合法化ヘの道

・正確な診断による手術適応者の選定 → 「治療行為性」

・被施術者に対する十分なインフォームド・コンセント

・根本的な人格の永続的変更を伴うので医療倫理に反するとの批判には

・埼玉医科大学医療倫理委員会および日本精神神経学会の答申

 

民事法上の問題 出生届の性別の変更は可能か

わが国の裁判例

・名古屋高裁 昭和54年い月8日一認めず

・横浜家裁平成6年3月31日、東京高裁平成9年3月28日→認めず。現在最高裁に特別抗告中

わが国の戸籍法では→錯誤や遺漏による訂正のみ(同法113条)

憲法しベルでの論議→「性の不可変更性の原則」との関連

・ドイツの連邦憲法裁判所判決→性別変更および結婚の可能性を示す

・ドイツの性転換に関する法律

性別は生物学的のみならず社会的・精神的な面をも加味して

・わが国憲法13条の幸福追求権。⇒社会の理解こそがキーポイント

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活動のアピール

 キリストの風

 

T’sキッチン

 

一橋大学 学園祭 性同一性障害シンポジウム

 

FTM日本

 

インターネットでの情報

 

クイアスタディ

 

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質疑応答

 最近の社会の反応をどう思うか?

 性器嫌悪が有った、私は何者?

 どこで診療を受けられるのか?

 同性愛との関連は?

 ホルモンを入手できる医院は?

 客観的な判断基準は?

 教育についてどう考えていくか

 ISについての世界の動向

 女性学からの反発について

 クリトリスをペニスにできないか

 肋軟骨をペニスに使う事について

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私たちも生きやすい社会を

 坂本愛子さん

 

中原圭一さん

 

山田美香さん

 

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